麻酔必要な虫歯がない2歳女児麻酔打ち死亡 過剰治療で子供の歯科治療が医業収入を上げるための刈り場に

健康

2017年、福岡県の歯科医院で2歳の女の子が歯科治療後に死亡。

歯科治療に使用された局所麻酔薬リドカインによる反応後、適切な救命措置が行われなかったため、歯科医師は業務上過失致死で有罪判決(1年6ヶ月の執行猶予)。

解剖を行った医師が証言し、治療に麻酔が必要だったかどうかに疑問を投げかけ、死亡した子供の歯には重大な虫歯はなかったと述べた。

幼い子供の歯科治療をめぐっては2000年にも、福岡市内で当時2歳だった佐々木桃香ちゃんが治療後に死亡する事件があった。

桃香ちゃんのケースでは、16本すべての歯が治療対象になっていて、父親は開示されたカルテで初めて知った。

桃香ちゃんの父親は、「1歳6か月の時に保健所で受けた検診では、特別指摘されたことはなかったのに、その数か月後、歯科医院ではすべての歯が治療対象になっていたんです。その時に思いました。桃香の顔はお札に見えていたんだろうな」と語っている。

問題なのは、過剰治療の有無は争点になっておらず、「このままではまた同じことが起きてしまう、検察には、治療の適否にまで踏み込んでほしい」と二人を司法解剖した医師は語っている。

誠実に患者に向き合うほど経営は苦しくなる理由

歯科医師の数はこの40年で約2倍に増え、少子化で子どもの数は減少、さらにむし歯になったことのある3歳児の割合は8分の1に減っている背景から、現場の歯科医師が下記のような警鐘を鳴らしていた。

1200円をとるか、460円をとるか。モラルハザードを起こしたら、『これ削ってやろう』となってしまう。

むし歯が減ってきたため治療の対象を広げすぎているのではないか。以前なら応急処置以外は治療しなかった3歳未満のむし歯や治療可能な年齢であっても昔なら治療しなかったような小さなむし歯が削られている実感があります。

「過剰な治療に親が気づきにくい」構造的な問題は、少子化対策で子どもの医療費は助成の対象となり、多くの自治体が無料としています。

このため、幼い子どもに過剰な歯科治療が行われたとしても、親に治療費が請求されることはありません。これを逆手にとって医師は不要な治療をし、過剰な治療に親が気づきにくい要因になっている。

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